バジリスク

バジリスク~~甲賀忍法帖とは

パチスロ機としてデビュー

バジリスク2の魅力

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著名な作家が作り出した伝統シリーズ

忍者ものの作品はこの世に多数存在しています。フィクションにしてもそうですが、実際に日本の史実においても多数実際に存在していた忍者の存在は今なお多くの人々から羨望と崇高な眼差しで見られているでしょう。忍者という裏世界で暗躍していた人々の存在は日本のみならず世界的にも知られていますが、一言で忍者といってもイメージする人物は人それぞれでしょう。その中でも特に忍者としてイメージしやすい人物といえば、

といったものでしょう。この辺ならばそこまで詳しくない人でも聞いたことあるなぁといえるほど有名な忍者像の代表格と言えます。これらは歴史辺の中でも実際に存在していた一族として知られている一方で、彼らの使う忍術といわれている人とは思えない超人的な技を利用していたとも言われていますが、その点については科学的に根拠のつくものばかりです。現在漫画や小説などで語られている忍術が実際に行われていたものだとしたら面白いですが、そこまで夢見心地な人も多くはないと思いますので一旦置いておきましょう。とにかくこうした忍者を題材にした作品というものは多数存在しています。現在最も知名度の高い作品といえば週刊少年ジャンプで好評連載中の『NARUTO』でしょう。海外でも人気を誇っている今作品は忍者というテーマを扱っているからこそ世界的に幅広い人々に受け入れられている内容となっております。日本の創作活動において忍者というものは非常に定番的な題材として扱われているといっても過言ではないでしょう。

そんな忍者を題材にしている作品の中でお勧めしたい作品というものがあります、NARUTOのような健全的な内容も確かにいいですが忍者としての定めがゆえに戦う運命になってしまった作品をご紹介しましょう。その作品とは数々の奇想天外な作品を多く生み出し、斬新な世界観と登場人物達の繊細なまでの心理描写を事細かに描き出した作風によって多くの名作を世に送り出した山田風太郎先生が描き出す忍法帖シリーズ『甲賀忍法帖』を原作とした作品『バジリスク~甲賀忍法帖~』をご紹介していこうと思います。

甲賀と伊賀の関係

甲賀忍法帖という作品が世に初めて登場したのは1958年と今から65年という半世紀以上前に誕生した作品となっており、その後原作とした漫画をせがわまさき氏が2003年から1年間連載したのち、その後アニメ化も放送された作品となっております。原作は漫画作品が始まる前から知っていたという人もいるでしょうが、そこまで知らなかった人でもアニメ化によって作品そのものを知った方も多いと思います。ちなみに私は後者でした、確かに忍者とはそれなりに興味関心を持つような題材でしたが出版されたフィクション作品までに手を出そうという段階までには至りませんでした。正直言うと、アニメ作品についても私がその存在を知ったのは今からほんの3年ほど前という放送が終了してから4年以上経った時でした。その時も名前だけ知っていたという程度だったので内容についても全然知らなかった、といったなんとも惜しいことをしていました。その後レンタルビデオ店にてこちらの作品を全巻借りてみたのですが、作品の世界観や物語、更に登場人物達の作中における心理が巧みに描かれていたこともあって、私も作品のファンになるまでに時間は掛かりませんでした。

こちらの作品は登場人物もそうですが、なんとも言っても忍者といえば甲賀と伊賀の対立という定番中の定番内容もファンにとってはドツボにはまる内容だといえます。史実中、またはバジリスク以外の忍者作品においても甲賀と伊賀が出てくる場合には、必ず両者は対立している関係となっています。実際においては甲賀によって伊賀が滅びてしまい、伊賀の生き残りであった当時の服部半蔵が後に徳川家康に仕えることになった、等といわれていますが詳しいことについてははっきりしていないためこの点については想像にお任せするという方向になっているのが現状でしょう。一部では対立していたときもあるが、和平関係を結んで友好的に交流をしていたとも言われているので詳細な内容については今後歴史的な発見が確認されるまでは私達が思い描く、好きな甲賀と伊賀を想像するしかありません。骨肉とも呼ばれている争いが本当にあったかどうかはその時代に生きた人々しか分からないことなのでなんとも言えません、でもこの辺については作品を想像する担い手達の判断によって描かれることになります。

甲賀忍法帖においては甲賀と伊賀の関係については、一旦の休戦という名の和平条約が交わされていることもあって争いは作中序盤においてはまだ始まっていないという状況にあります。この後が非常に面白いんですけど、それについては後々お話をしていきましょう。

不戦の約定という縛り

作品において甲賀と伊賀は対立関係にある事は明白となっていますが、争いには発展していません。何故その争いが行われていないのかというのは、時の時代において激化していく甲賀と伊賀の争いを止めるために当時忍者として頭角をその元として確立していた『服部半蔵』がその間に立つことで、両者が争いを行わないようにと『不戦の約定』を結ばせるのであった。その甲斐もあって火種こそくすぶっている状態ではあるものの、目に見えた形での争いは収束を迎えることになったため、常に張り巡らされていた緊迫の糸は解かれる事こそないものの、緩むことでようやくつかの間の平和が訪れたのだった。

それから半世紀近く平穏無事な時間が甲賀と伊賀には流れていましたが、内部では常に甲賀を、そして伊賀を憎悪深まる思いで両陣は不戦の約定の名の下で常に牽制をし続けていたのだった。このまま不穏な空気が続くものかと思っているときだった、とある時代に甲賀と伊賀、それぞれの現当主達が自分達の跡目とある幼子を二人選出するのです。二人とも伴侶となる存在を持つことがないため、親類から引き取る形で得ることになる子供たちというのが、今作の主人公である『甲賀弦之介』とヒロインの『朧』の二人だった。

弦之介と朧

出会いは次代当主となる二人を四代目服部半蔵に顔見世する、数少ない甲賀と伊賀が対面するときでした。相変わらず敵対心むき出しの大人たちから遠ざけるように二人の時間を過ごすことになるが、弦之介は大人達から伊賀というものがどれだけ卑劣な存在かということを教え込まれていた。そんな伊賀忍者達の次期当主となる朧に対しても敵意をむき出しにしてそっけない態度を取るが、朧は自分の里はそんなところではないと涙目に訴えるのです。この様子を見て自分の考えとは何かが違うのではないだろうかと感じた弦之介は釈明の後に伊賀に行ってみたい、朧に向かってそう告げると彼女は嬉しそうに笑うのでした。

この瞬間朧は弦之介に対して恋心を持っていたんだなぁと個人的に感じていますが、そう感じた人はそれなりに多いと思います。そして10数年の歳月が流れると二人は立派に成長していました、弦之介は貫禄溢れる次期当主にふさわしい勇猛果敢な男性へ、朧も年月を重ねるごとに幼さの中に垣間見える妖艶さを備えていくようになりました。そんな成長した二人はやがて再会することになります、それは甲賀と伊賀に長年くすぶり続けていた宿命にも似た怨鎖を断ち切るためにお見合いをするのです。

その後二人は着々と逢瀬を重ねることで愛情を確かに持つようになって、祝言の日をずっと待ちわびているのでした。自分達が夫婦となれば甲賀と伊賀が共に手をとって歩めるようになるだろうと、和睦への道がきっと開けると信じてやまなかったのでした。しかしそんな二人の願いを無残に断ち切るように世界は残酷なまでの運命を突きつけるのでした。

解き放たれた枷、そして開戦

弦之介と朧が何度目かの逢瀬を重ねている最中、天下泰平を成し得た徳川家康と服部半蔵を含めた幕府の重鎮達が集う中、そこには弦之介と朧それぞれの育ての親でもある『甲賀弾正』と『お幻』、さらに甲賀と伊賀において精鋭の忍として選出されている十人衆から『風待将監』・『夜叉丸』の二人が共に召喚されていた。桜舞い散る中で繰り広げられていたこと、それは甲賀と伊賀にある戦力を披露することだった。将監と夜叉丸は互いに力を抜くことなく自らが持てる力のあまりに戦闘を繰り広げていく。その様子をじっと見つめる徳川家康と服部半蔵含む一同の中には圧倒的なまでの戦闘力に驚かされていた。

互いの実力を確かめたのち、それぞれの十人衆を選抜することで殺し合いを命じるのであった。それは徳川の世継ぎを決めるため、甲賀と伊賀を争わせて最終的に勝利した側の方を跡継ぎとして認めるという幕府の権力争いに利用されてしまいます。不戦の約定事実上の封印解除、今再び競われる甲賀と伊賀、宿命の対決はやがて止めることのできない業火となって燃え上がるのだった。そしてその十人衆として指名された『人別帖』の中には弦之介と朧の両名とも名前が描かれているため、この時点で二人は知らない間に敵同士となってしまっていた。どうしようもない運命が加速していく中で、弦之介と朧はその戦いに否応なく巻き込まれていくのだった。

こうして幕府の対立図をそのままに描いた戦いの駒として利用されることになり、甲賀と伊賀は積年の恨みを晴らすように戦いを繰り広げていくことになります。この世継ぎに関しては実際に争われていたという記述も見受けられているため、史料を元にしてこの作品は作られているのです。もちろんここまでの流れに関しても見事なまでに卓越された描写がなされているので、まさに作家としてはその境地とも言える山田風太郎先生の作風といえるでしょう。この物語は序盤からもそうですが、物語が進行していくにつれてドンドン面白くなっていきます。それこそ行き着く暇もなく、早く次の話をみたいと思わせるような展開が魅力となっています

それぞれの十人衆

ではここで物語の主要ともなる十人衆を紹介して行きましょう。

甲賀十人衆伊賀十人衆
甲賀弾正お幻
甲賀弦之介
地虫十兵衛夜叉丸
風待将監小豆蝋斎
霞刑部薬師寺天膳
鵜殿丈助雨夜陣五郎
如月左衛門筑摩小四郎
室賀豹馬蓑念鬼
陽炎蛍火
お胡夷朱絹

上記20名にて激烈の戦いを繰り広げていくことになりますが、戦いの詳細を知らされる人別帖を途中で不戦の約定が解かれたことをしった伊賀によって奪われてしまうため、甲賀十人衆達は着々と人数を削られていくことになってしまいます。中盤に差し掛かるとそれまでことの顛末を知らずにいた弦之介と朧も状況を把握し、やがて弦之介は朧に対して目を合わせることなく彼女の前から立ち去ってしまうのだった。心の底から愛している弦之介と敵になってしまったこと、また伊賀を支える一人として一族を守ることへの責務に苦しむことになる朧の姿に心打たれる人も多かったと思います。

見所が満載なってる今作ですが、そんなバジリスクの個人的にこんなところが見所となっている箇所を次からは紹介して行きたいと思います。既に作品としては完結している作品となりますが、まだ見たこともない人もいると思いますので明らかなネタバレはしない程度に作品の展開も紹介して行きます!